2004年度活動報告

NO.2

【ガイドヘルパー養成研修】

ガイドヘルパーは、全身性障害者移動介護従事者資格と視覚障害者移動介護従事者資格取得のための養成研修として行いました。

今回は2級ホームヘルパー資格者を対象にガイドヘルパー養成研修を7月31日、8月1日、7〜8日の4日間で行い、21人が受講されました。

(長野駅のエスカレータで)

ガイドヘルパー養成研修写真1

視覚障害者移動介護を7月31日講義、8月1日実習としてアイマスクをして長野市内一日実習。

廣沢さんそして廣沢さんのガイドヘルパーをされている桜井さんにご指導頂きました。

見えないことを「怖いと思わないでください」と最初に伝えてくれた廣沢さん。一言一言の優しさの中に熱さを感じました。

ガイドヘルパー養成研修写真2

アイマスクをしてスーパーへの買い物、長野駅での階段、長野電鉄電車を利用して権堂まで、デパートでのエレベーター・エスカレーター、食事、そして善光寺経由でバスによる実習。

(善光寺にて“あれ、私がいない、そうだ 写真をとっているんだ”)

ガイドヘルパー養成研修写真3 ガイドヘルパー養成研修写真4

全身性障害者移動介護は8月7日講義、8日実習を行い講師としてわっこの会から桜井さん、橋本さん、久保井さん、倉持さん、塩川さん、そして哲ちゃんありがとう。 武田さん睡眠不足なのにありがとう。

長野駅での階段やトイレ介助、JR駅構内と列車を使っての車いす移動。

「一人で車いす歩行を経験してください」と言ってくれた倉持さん。
どうやっても左の植え込みにつっこんでしまう研修生たち。
横断時間の短い信号機、「やさしくない」長野市内の町並み、そして「つめたい」視線や「つめたい」言葉、「ゆるせない」態度など、 移動介助の技術的な面以上に、自らの心を問われた研修でした。

【教育部会の取り組みから】

7月4日、人権センターながの教育部会発足のつどいを開催し、いよいよ部会の活動がスタートしました。

以後教育部会世話人会を7月19日に行い、次のことを行っていこうとしています。

@世話人会を定期的に開催していく、また会員加入の取り組みをすすめる。

A「同和教育は何を果たしてきたのか」の検証をし、かたちとして残していく作業を進める。そのための各地域での検討会も開催していく。

B会として実践交流できる場や、情報交換できる場の設置などをおこなっていく。

教育部会写真

なお、発足のつどいで報告した「ビデオ」の継続した取り組みを行っていきたいと思っています。
このビデオはわずか一週間しかない中でつくったもので、「同和教育は何を果たしてきたのか」の検証をするために一つのきっかけになればと、 被差別部落の人たち数人に「同和教育があって良かったと思うこと」「同和教育推進教員がいてありがたかったこと」に焦点をしぼって聞き取り編集した45分のビデオです。

「ありがたかったわよ」
と手を合わせてお話しになるお母さんの姿も。

決して過去を「良かった」で終わらせることではない、また、「もう一度あの制度を」ということでもない。 「同和教育は何を求め何を果たし何を見失ってきたのか」を見直していくために「良かったこと」を聞き取ったこのビデオは 逆に新鮮なかたちで課題を提起してくれたかたちになったように思います。

さらにこれからも、いろんな検証軸をたてながら検証の取り組みをしていこうと思います。近いうちに「同和教育は何を果たしてきたのか」(仮題)の発刊も進めたいと思います。

【東日本部落研究者集会の取り組み】

8月21日、22日と長野市・中央隣保館で東日本部落解放研究者集会が行われ、東日本部落解放研究所からの要請により、 人権センターながのとして参加取り組みと、教育分科会に浅井誠先生が報告しました。

東日本部落研究者集会写真1 東日本部落研究者集会写真2

一日目は朝日新聞社の若宮啓文さんから「『ルポ現代の被差別部落』から30年―回想、そしていま」と題して講演がされました。

二日目は、歴史、教育、狭山の3分科会が行われ、教育分科会で報告した人権センターながの教育部会の浅井さんは、何回かのレポート検討を重ね、 「私にとっての部落とは」を自分に問いかけ「もう一度その部落から」スタートすることの意味を報告しました。

この報告は今後さらに整理と検討を行うため、人権センターながの教育部会で検討をしていきたいと浅井先生が言っていました。

【相談支援事業の取り組み】

大勢の人からの相談がありました。その中で、精神障害者家族会のAさんから「意見を聞かせてほしい」と連絡をいただき、何度かお会いし話をお聞きしました。

長野市川中島に建設された障害者総合施設「ハーモニー桃の郷」の格子窓が 「隔離収容施設をおもわせる精神障害者を危険視する差別的な処遇であるとおもうが、どう考えますか」という内容でした。

設計業者は「精神障害者は窓を割っても飛び降りる、安全対策を要望された」と釈明し、市は「窓にベランダがなく転落事故などの危険防止対策。 環境と調和させるために木製にした」と回答。

精神障害者のための自立支援施設のはず。それも、当事者やその家族の意向を聴くというあたりまえのことがされていない。 単に格子窓の撤去というだけの問題ではないと思います。こうしたことに問題意識をもてない、また問題提起されても「あなた方の思いすぎ」などという声の多いこと。

私自身も問われていることです。精神障害者差別の現実と実態をしっかりと踏まえ、私たち一人ひとりの取り組みを見出していきたいと思います。

【調査研究事業の取り組み】

最近人権に係わる「住民意識調査」と「実態調査」の相談が多く寄せられています。

特に市町村のほとんどは数年前に行った国の調査項目を参考にした同様の調査項目がほとんどで、質問設定を再考しなければならないように思えます。

さらに、結果に対する分析の必要性などからも、現在人権センターながのとして調査項目設定、分析含め、その方法と実施費用などを検討しています。

《人権センターながの事務局から》

中本佳代子・・・

毎日自転車で通っています。毎日「ひとりごと」を言って何かしています。 中本いわく「会計事務だけはむいていないのに」と言っていますが、誰もやる人がいないのでやっています。 中本がもう一言「最近物忘れが多くて」と・・・この間自分の預金通帳がはいった鞄を自転車の荷台から落としたことすら気がつかず、「私の鞄知らない」と・・・ 親切な市民が届けてくれました。毎日「楽しい何かがおこります」 そうそう、たった今も「私の携帯知らない」と騒いでいます。 (やれやれ)

高橋典男・・・

暑さにめげて、とろとろやってます。私のことは誰か書いてくれないと自分で書くと良いことばかりに・・

※何もないところからやることの苦労を感じている今日この頃です。でも、係わってくれる人がいることに改めて感謝、勇気が出ます。

このつながりと広がりが人権センターながのがめざし求めていることのように思います。

皆さんの近況お知らせ下さい。